臨床工学室

臨床工学技士   樋口 崇

 みなさんには臨床工学技士という資格はあまり馴染みのないものと思います。現在の医療では医療機器があらゆるところで使用されており、人工呼吸器などはその典型といえます。また工学技術の進歩によって高度な治療が行えるようになった反面、機械の操作方法や構造は複雑高度化してきています。そのようななかで操作、保守点検などが適切に行われなければ医療機器の持てる力を発揮できないばかりでなく、患者さんに重大な影響を与えることにもなりかねません。このようなことから人工呼吸器などの生命を維持するための機械、「生命維持管理装置」の操作、保守点検を行う医療資格として臨床工学技士が生まれました。臨床工学技士は医療機器を用いた呼吸療法や血液透析などの血液浄化療法、また医療機器が数多く設置されている手術室や集中治療室などで働いています。

 当院では人工呼吸器を常時20台以上使用していることから人工呼吸器の点検が主な業務となっており、毎日の日常点検や故障時の対応を行っています。現在、人工呼吸器の管理方法について関係部署と協議中で、病棟ごとに行ってきた人工呼吸器の管理を中央管理化することで、より効率のよい運用ができるものと思います。人工呼吸器のほかには約100台の輸液ポンプ、シリンジポンプの年1回の定期点検と故障時の対応、心室細動の治療器である除細動器の点検を行っています。また不定期ではありますが、重症患者に対する血液浄化療法を行っています。

 近年、人工呼吸器に関する医療事故が報道され医療機器の安全が注目を浴びています。臨床工学技士も医療スタッフの一員として関係職種の方たちと協力し、人工呼吸療法や血液浄化療法などの臨床技術の提供と、保守点検による医療機器の安全性確保を通して患者さんに信頼され、安心して受けて頂ける医療を提供できるよう努力していきます。よろしくお願いします。