リハビリテーション

リハビリテーションとは?

 リハビリテーションとはre-habilitation(英)と書き、語源はre(再び)habilitetion(何らかの原因で社会から離れた人が再び復帰する現象)つまり、病気やけがにより障害を抱える人に対し、社会復帰できるよう援助することです。

 病気やけがなどにより身体が不自由になった人々に対し、動きが鈍くなった手足を動かしたり、寝返り~歩行、トイレや入浴動作などの生活に必要な動作の練習をしたり、病気のよって転びやすくなってしまった方の転倒予防をしたり、上手にしゃべれるように練習したりなどなど、より早く、社会に復帰してもらうための指導・援助をしています。

施設認定基準

  • 運動器リハビリテ-ション1
  • 運動器リハビリテ-ション2
  • 呼吸器リハビリテ-ション1
  • 脳血管疾患等リハビリテ-ション1
  • 障害児(者)リハビリテ-ション

スタッフの体制

  • リハビリテ-ション科医師 1名
  • 常勤理学療法士 8名(非常勤1名を含む)
  • 常勤作業療法士 4名
  • 常勤言語聴覚士 2名
  • 理学療法助手 1名  にて運営しております。
リハビリ室

リハビリ室

言語療法室

言語療法室

リハビリテーション科の理念

病院の理念の基に
○患者さんの社会復帰、家庭復帰の支援を、患者さんを取り巻く様々な職種と協力してリハビリを行っております。
○国立病院機構における政策医療である重症心身障害者、呼吸器疾患、ならびに専門医療である小児慢性疾患、神経・筋疾患、骨・運動器疾患に対し、専門性を持ってリハビリを行っております。

 当院のリハビリには、理学療法、作業療法、言語療法があり、治療方法や治療内容の違いで名前が分かれています。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士になるためには・・・

 専門に養成する3年又は4年生の専修学校や医療技術短期大学、大学にて教育を受けた後、国家試験合格によりそれぞれの免許が与えられます。

理学療法とは?

 病気やけがなどにより身体が不自由となった人々に対し、温熱・電気療法などの物理療法や筋力・関節可動域・日常生活動作・歩行などの運動能力を高める運動療法などにより改善を図る医療の一つです。
 最近では医療の分野だけでなく、福祉・健康・スポーツの分野にも関わっています。

作業療法とは?

 当院では、長期臥床による機能低下の防止や現在の能力が最大限発揮できるように指導を行い生活動作の改善を目指します。具体的には食事動作などの日常生活で行う動作の練習、手工芸などの余暇活動の提供、自助具・福祉用具の紹介、手や上肢に機能障害がみられる方の回復のために様々な治療技術を駆使して機能回復を図っていきます。また、発達に何らかの問題を持つお子様を対象に発達支援を行います。

言語聴覚療法とは?

言語聴覚療法は、大きく分けると「言語療法」と「摂食嚥下療法」の2つがあります。

1 言語療法

 言語聴覚の問題は、脳血管障害、頭部外傷、難聴、咽頭摘出後、声帯の疾患、発達障害、口蓋裂、脳性麻痺など様々な原因で起こります。吃音も含まれます。脳梗塞や脳の変性疾患による患者さんの中には、失語症や構音障害をもつ方が約20%みられます。こうした患者さん機能練習を実施し、残っている能力を活用してコミュニケーションを確保することが言語聴覚士の役割です。

 具体的には、声を出す練習、うまく出ない音を発音する練習、「話す」「聞く」「書く」「読む」の練習、サイン・描画・代用の機器を使用する練習などを行います。

2  摂食嚥下療法

 脳梗塞や脳の変性疾患、その他の理由で食べ物の飲み込みが困難になる嚥下障害の患者さんがいます。近年リハビリで「食べること」の重要性が認識され、嚥下障害の診断・治療技術が向上してきています。摂食嚥下療法は多職種のチームワークが必要です。医師、歯科医師、看護師、理学療法士、栄養士、放射線技師等からの情報や関わりがあって成り立つ治療です。言語聴覚士はそうした情報ともとに間接的、直接的な嚥下練習を担当しています。具体的には、食べる器官の運動練習をしたり、実際に食品を使って飲み込む練習をします。

ことばや聞こえなどコミュニケーションの問題にいろいろな種類がありますのでご相談ください。

【ことば】

  • 言いたいことばが出て来ない
  • 聞いたり読んだりしたことの意味がわからない
  • ことばの発達が遅れている など

【聞こえ】

  • 声やことばが聞こえない、聞こえにくい など

【声や発声】

  • 発音の問題、声が出にくい、かすれる、なめらかに話せない など

【食べること】

  • 食物をうまく飲み込めない、むせる など
    

リハビリテーション今昔

理学療法士長 玉井 敦

 「リハビリテーション」という言葉は、今でこそ耳慣れた言葉になっていますが、ひと昔前は仕事の内容を説明するのに一苦労したものです。しかし、今日でも「リハビリ」という言葉からイメージされる内容は、人によって異なるようです。例えば、「運動して体を鍛える」「弱った体を元に戻す」など、運動機能の回復をイメージされる方が多いのではないでしょうか。これもリハビリの大事な一分野には違いありません。しかし、「リハビリテーション」という言葉は、元々「何らかの原因で失った地位や権利を再び獲得する」、すなわち「復権」という意味で使われ、古くは裁判用語でした。

 今日私たちの社会には、かつてない高齢化の波が押し寄せています。高齢化に伴って循環器系や神経系の慢性の病気に罹る率が高くなるだけでなく、病気とは呼ばれなくとも生活する上でさまざまな「障害」を来します。「思うように体が動かない」、「物が見えにくい」などなど。一方では、核家族化や価値観の変化などによる家庭での介護力の低下が大きな社会問題となり、介護保健制度が始まりました。

 年をとれば、誰でも「障害」者になり得る時代を迎えました。

 リハビリテーションは、このような時代の流れを反映して、障害されたさまざまな機能の回復をはかり、障害に見合った装具や環境を整えることにより、個人の社会的な「復権」を助ける専門分野として、その役割に大きな期待が寄せられるようになってきました。

 因みに、リハビリテーションに携わる私たちは「セラピスト」と呼ばれることがありますが、この言葉は元来、「目的を達するのを援助する者」という意味であったそうです。

 さて、施設で行われているリハビリは、施設によって様々です。例えば脳血管障害をとってみても、麻痺が生じた直後の急性期からのリハビリを中心とする施設、回復期や慢性期のリハビリを行い、老人保健施設など他の施設と連携して在宅療養支援をめざす施設などがあります。リハビリの需要の多様化に伴って、リハビリテーションの対象や内容も、施設ごとに異なり、それぞれの特色を出しつつある(「特化」と呼ばれています)のが、最近の特徴ではないかと思います。

    

当院のリハビリテーションの特色をご紹介

理学療法主任 稲田 浩美

 理学療法の依頼のうちで一番数が多いのは整形外科からで、外来からの依頼の約8割、病棟からの依頼の4割を占めています。理学療法の主な内容は、外来では頚、肩、腰の骨からくる痛み(変形性脊椎症など)、入院では関節置換手術の術後や骨折の理学療法が中心です。肩関節の肩板損傷術後の理学療法も行っています。術後のリハビリで特記すべきことは、「クリティカルパス」という一種のリハビリの工程表が積極的に用いられていることです。手術で入院となった患者さんには、手術の前に、退院までの治療や看護ケアの計画表(スケジュール)が手渡されます。そこには、例えば股関節の手術の場合には、いつから立ち上がる練習を始めるかなど、細かなリハビリの計画も組み込まれているのです。

 次に多いのが神経内科からの依頼です。神経内科では、ギランバレー症候群などの末梢神経の障害や脳梗塞などの血管障害で急性に運動障害を来す病気や、パーキンソン病や脊髄小脳変性症など数年にわたって徐々に運動障害を来す病気があります。とくに後者では、日常生活のすべての面に支障を来すこともあるので、リハビリの関わりも在宅での療養生活を視野にいれた家族への指導や環境整備の援助など、多岐にわたる事が少なくありません。

 さらに重症心身障害の方のリハビリや、肺気腫や結核などの慢性の呼吸器疾患や肺切除術後の呼吸リハビリなども重要な分野となっています。

 わたしたちセラピストの仕事は、患者さんの目指している日常生活での自立(「復権」といっても良いかもしれません)を支援することです。そのためには、患者さんを取り巻く家族や医療従事者などの様々な人たちと連絡を密に取り合うことが必要です。リハビリ室や病棟でのリハビリをお手伝いしながら、わたしたちも患者さんの目線に立った情報提供を心がけていきたいと考えております。

活動内容(平成22年度)

※まつもと医療センターとしての実績です。

職員数

職員数
  松本病院 中信松本病院
専任医師 1 1
理学療法士 5 9
作業療法士 1 6
言語聴覚士 1 2
事務助手   1

施設基準と実施件数・単位数

施設基準と実施件数・単位数
  松本病院 中信松本病院
件数 単位数 件数 単位数
運動器(Ⅰ) 770 1,259 4,829 11,054
運動器(Ⅱ) 604 950 4,876 9,083
脳血管障害等(Ⅰ・廃用) - - 20,288 32,719
脳血管障害等(Ⅱ・廃用) 9,961 16,647 - -
呼吸器(Ⅰ) 692 1,018 427 631
心大血管リハビリ(Ⅰ) 2,215 2,821 - -
癌リハビリ 2,183 3,127 - -
障害児・者のリハビリ - - 1,460 2,631

診療科別処方数

診療科別処方数
  中信松本病院 松本病院
整形外科 427  
神経内科 126  
小児科 139  
呼吸(内・外) 50  
外科   127
脳外科   103
循環器科   194
内科   156
消化器科   88
その他   24
診療科別処方割合

学会・研修会・論文発表等

学会・研修会・論文発表等
発表演題名 発表者 職種 学会・研修会名 開催地 年月
スポーツ障害に対する足底挿板の効果 有賀一郎 PT 第45回日本理学療法学術大会 岐阜 2010年
6月
気管切開後に経口摂取を試みたALS患者 望月千穂 ST 第16回日本摂食嚥下リハビリテーション学会 新潟 2010年
9月
終末期に介入した重症心不全の一症例 木下絵梨奈 PT 松本平心臓リハビリテーション勉強会 長野 2011年
3月
松本病院における心臓リハについての報告 浅見誠 PT 長野県重症心不全研究会 長野 2010年
5月
当院における心臓リハビリテーションの現状について 浅見誠 PT 日本心不全学会 東京 2010年
10月
高齢慢性心不全患者における心リハのアウトカムに影響する臨床要因の検討 浅見誠 PT 北信地区心臓リハ勉強会 長野 2010年
10月
高齢慢性心不全患者に適応する段階的運動負荷リハビリテーション・プログラムの開発とそのアウトカムに影響する要因の検討 浅見誠 PT 日本心臓リハビリテーション学科医師「心臓リハビリテーション」第16巻1号 2011年2月発行 論文
報告
 

臨床実習受け入れ数

( )内はOT

臨床実習受け入れ数
  4年 3年 2年 1年 合計
松本病院 1 1 0 0 2
中信松本病院 1(1) 2 2 1 6(1)
合計 2(1) 3 2 1 8(1)

(臨床実習はPT,OTについて実施)

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